マーケティング、地方創生、時々子育て

ベンチャーの広告会社営業マンが自身の失敗談、経験を共有しながら自分自身をマーケティングしてみようとする奮闘記です。

「好き」が世の中をより豊かにする!

こんにちは、ノッキーです。

 

最近、巷で噂のインフルエンサー、アンバサダー、ファン、コミュニティ等のワードがドンドン出てきている印象です。

それだけ、いろんな企業がそこに目を向けているのだろうし、もちろん、事例・ケーススタディを語れる方々が色々と出てきている事もあると思います。

 

ということで、今回は僕が考える3つのワードの解釈をお伝えしたいと思っています。

それを語る上では、デルの横塚さんのお話は非常に興味深いです。

www.advertimes.com

 

ここでは、デルが行ったアンバサダープログラムの話について触れられています。

事の発端は、横塚さんが大好きなデルのことをマーケティング視点で考えたときにデルのことが好きなファンはデルのことをどう思っているのだろうか?ということを知りたいと思ったことからスタートしたそうです。

 

詳細は記事を読んでいただきたいのですが、 

ここですごく重要になってくるのは、

・マスマーケティングと購入の間にあるもの
・ブランドが支持されるのは製品の魅力だけではない
・人に「クチコミ」させる「これが好き!」という力
という3点だと思います。

 

まずは、「マスマーケティングと購入の間にあるもの」です。

これはどの企業もどうしたらいいのか、かなり苦慮されているところですよね。

社内の営業との関係性もありますし、

世の中にこうすべき!という方法論がすごく多くでているのでどれを取捨選択したらいいのかも分からないし、

マーケターとしても社内から求められるモノを短期で結果を出す必要がありどれもこれもうまくいかない。。。

 

なんて声が多くあると思います。

僕が相対しているクライアントのマーケティング部の方々も同様の悩みをお持ちだったりします。

ここで考えるべきは、お客様はどう感じ、どう思い、どう行動するのかを現在のユーザー、その中でも特に自社に声を寄せてくれている方々の声を聞くことです。

意外と、ユーザーの方の姿形・行動・趣向などの理解が出来ていないというマーケターは非常に多く見受けられます。

これでは、誰に対してどう思ってもらいたいのか、、、

言うなれば企業からのラブレターをどう送るのかが定まっていないことと同義です。

 

恋愛の話にあると、非常に分かりやすいと思うのですが、

貴方が凄く気になる人でしかも貴方と知り合いではない人(認識がない)がいた場合にどう行動しますか?

 

まずは、気になる人とどうやってお近付きになるのかを考えますよね?

友達伝いで知り合いではないか?

好きな物が一緒ではないか?

学生であれば、どんな授業を受けているのか?

通学は電車なのか?

(決して、ス◯ーカーということではなく、一例です。。。)

 

つまり、相手のことを徹底的に調べることをしてきたと思いますし、

この状態で、自分のコト・スペックを伝えても聞き入れてもらえないのはおわかりのことと思います。

なぜなら、気になる人はまだ貴方の話を聴く準備が出来ていないんですから。

 

 次に、「ブランドが支持されるのは製品の魅力だけではない」という点ですが、

これもまさしくで、自社の製品を持っていない企業様でも支持していただけるものは必ず、持ち合わせています。

例えば、人であったり、取り組みだったり、はたまた文化であったり、

そもそも、企業が社会に存在する意味は社会的な課題に対して立ち向かい、解決を図ろうとしているところに、従業員はじめ、あらゆるステークホルダーが支持をしている姿が企業本来の形です。

意外と企業は製品の良さ・使い方を伝えることはいっぱいあるのですが、

その製品がなぜ世の中に必要なのか?

なぜ製品開発したのか?

なぜこの会社が存続しているのか?

その辺りの背景やストーリーを伝えることにあまり重きを置いていません。

そうすると、情報を得た顧客はスペックやコストなどの基礎情報のみで判断していくことになってしまい、いきなり薄利多売の世界に入っていってしまうのではないかと思うのです。

そうすると、必死に働いて、でもなかなか売りあがらない。残業しても給与も増えない(だって、原資がないから)というような世界から抜け出せなくなります。

 

そして最後に「人に「クチコミ」させる「これが好き!」という力」という点です。

これは、上記の背景やストーリーをしっかりとお伝えした上で、顧客の自分ゴト化をどんどん推薦してもらうことです。

インサイトをがっつり捕まえられたファンの中のファン、「コアファン」を見つけて、「コアファン」を味方につけて一緒になってまだ知らない顧客にご紹介をしていくか、ということを真剣に考えていくことが必須です。

 

そして、これは広義の意味での広告でありますが、決してコアファンの声の情報操作をしようとしてはいけません。

そういったことを考えて、実行した瞬間に打算的になり、関係が崩壊します。

 

さとなおさんの『ファンベース』という本の中でもありましたが、ファンは、バーやカフェで例えるなら常連客であり、我々接客側の手が足りない時は料理を運ぶのを手伝ってくれたり、内装もこうしてみたらなんて声を出してくれたり、そんな存在です。

 

佐藤尚之

『ファンベース 支持され、愛され、長く売れ続けるために(ちくま新書)』

https://www.amazon.co.jp/dp/B079JRSVVQ/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

 

そんな常連さんに「うちの店はちょっと高級志向だから、彼女とのデートで『結婚指輪を渡すときに』で使ってみてよ!」なんて言っても、常連さんがそう思っていなければ、「ハイハイ(思っているのとちがうなぁ)」なんてことになりかねません。

(ここで両者の同意ができれば、もしくはそう思うならここを変えてみたら?なんて提案をしてくれる関係値ならまた話は別ですが。)

 

つまり、ありのままの声をしっかりと受け止め、出ている声と自分たちの思っていることの差分をどうとらえてどう改善を図っていくのかということを真摯にできるかということだと思います。

そこまで顧客は見ています。声を上げたけどなんら反応がないのは一番ダメなパターンです。

 

そこをしっかりできる状態をつくること、組織なりマーケターの役割なりいろんな観点から考えてみていただきたいところです。

 

以上、3つの点について考察をしてまいりましたが、

これからの時代は「個」の時代であり、一人ひとり声を上げた、その力が推進力になっていく時代になると思っています。

これが「好き」あれが「好き」など声を上げないともったいないし、埋没します。

もっと、一人ひとりが自信をもって声を上げられる時代になるためにも「好き」という思いを隠さないではっきりと伝えてほしいし、マーケターはそこを確実に拾い上げて感謝するようなスキームを取るべきだと思います。